頼光四天王
源頼光に従った「四天王」、渡辺綱(わたなべのつな)、卜部季武(うらべのすえたけ)、坂田公時(さかたのきんとき)、碓井貞光(うすいのさだみつ)は、土地の境界あるいは現世と異界の境界の守護神的な人物という説。以下、齋藤慎一『中世を道から読む』…
歌舞伎や人形浄瑠璃の「我がせこが来べき宵なり、ささがにの──」は、蜘蛛の妖怪の出現を告げるフレーズ。オリジナルは『日本書紀』允恭紀にある衣通郎姫(そとおりのいらつめ)の歌。 我が夫子(せこ)が 来べき夕(よい)なり ささがねの 蜘蛛の行ひ 是夕(…
病で伏せている源頼光のために、侍女の胡蝶が典薬頭からもらった薬を館に持ち帰る。 その夜、僧形の者が頼光の枕もとにあらわれて、見舞いを述べる。 頼光が怪しむと、僧は、 「そなたの病気は蜘蛛のせいではないか」 と言って蜘蛛の糸を投げつけ、頼光を絞…
一人武者(独り武者)とは他にぬきんでた強い武者を意味し、人物の形容または代名詞的に使われる言葉なのだが、謡曲の「大江山」に出てくる一人武者には名前がない。 頼光「その主々は、頼光、保昌 供「貞光、季武、綱、金時 一人武者「また名を得たる一人武…
袴垂の安(はかまだれのやす)を名乗る男娼が、 アゝ、寒い晩だワ。アゝ、人間は心がらだ。誰あろう平井の保昌が弟平井の保輔ともあろう侍が、どういうことか刃物を見ると、そぞろ髪の立つほど恐ろしくて、いまいましい病。(…)兄保昌が、役に立たずと見限…